Guide
By Jack Fukushima
世界中の旅好き・ビーチフリーク達が旅のバケットリスト(生きているうちに行きたいポイントリスト)に入れている場所がホワイトヘブンビーチです。
日本語で『白い(ホワイト)』『天国(ヘブン)』と思っている人は僕だけではないと思いますが、英語表記を見るとWhite・Haven(ヘイブン)となっています。
んっ?! 天国は”Heaven”なので”Haven”とは?
調べてみると『安息所、港』とあるではないですか。確かに入江になっているから船の港や避難所として使われていたため、この名前がついたのかもしれません。
ハミルトン島から訪れる人が多いのですが、実はローカル達はエアリービーチ(Airlie Beach)に宿泊してホワイトヘブンビーチを目指す人も多いのです。
今回はシーリンク社のBig Island Day Tourに参加してエアリービーチからホワイトヘブンビーチを目指します。
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朝9時、陽光が輝くシュートハーバーからホワイトヘブンビーチへの究極のクルーズに参加しました。チェックインカウンターもありますがウェブで申し込んでメールで受け取ったQRコードが乗船券代わりになりました。
エアコン完備の大型カタマランクルーザーで快適に移動でき、モダンな設備が整った船は屋上デッキも完備してビューは最高です。限られた人数での運航なのでくつろぎながら美しい景色を楽しむことができるのが魅力です。
往路航海中はモーニングティーをいただきながら、オーストラリア最大数を誇るウィットサンデイ諸島にある74の島々における歴史や地理的情報、ウィットサンデイ諸島に生息するマンタ、カメ、ザトウクジラなど、様々な海洋生物、先住民族文化と島とのつながりなどのお話をしてもらえます。
モール諸島を通過し、ウィットサンデイ・パッセージを渡り、シド・ハーバーを経由してフック・パッセージを抜け、トングポイントで停泊まで1時間20分ほど。ここからヒルインレットを訪れます。
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ホワイトヘブンビーチの裏手にそびえる丘・ヒルインレットからの眺めは、まるで異次元への扉を開けたかのようでした
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湾にクルーザーを留めてビーチから900メートルほどの距離をなだらかに登ります。展望エリアは3カ所あり、それぞれ高さが異なるのでビーチの見え方が変わります。
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静寂と美が調和するこの場所でウィットサンデイ諸島全体を一望できる絶景を目に焼き付けると、きっと心に一生残る風景になり何度も訪れたくなること間違いなしです。
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30分ほど展望台で過ごし下山して船に戻るとランチが始まります。ゆっくりランチを食べながら少し落ち着いてくるといよいよホワイトヘブンビーチ(南側)へ向かいます。
ビーチに到着すると希望者を引き連れてホワイトヘブンビーチルックアウト散策が始まります。600メートルの距離と記載がありましたが、木陰も少なく日中という暑さもありヒルインレットでの登りよりキツく感じました。
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その白さは、まるで純粋な光が集まり雪景色のようです。98.9%ピュアシリカからできた砂は足元に触れた瞬間まるで雲を歩いているかのような感覚に包まれます。
不純物が付着してないシリカサンドは鳴き砂になっていてかかとから歩くと『キュッ、キュッ』と音を立てていました。また真っ白な砂は熱がこもらないので真夏でも熱くならず裸足で歩いてもヤケドしませんでした。
体感することで心を揺さぶり、写真では伝わりきれない奇跡のような白さを肌で感じることがこの場所の最大の魅力の一つかもしれません。
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シースルーの水が広がるホワイトヘブン湾は、まさに絵画のような美しさ。透明度が高く海中の生命が鮮やかに映ります。
夏の北風が吹く日には毒クラゲ(イルカンジ)がビーチ際に流れ着くことがあり、安全管理のために水中に入る時用に無料で全身スーツをレンタルしてくれます。自己責任で着てない人もいましたがクルー達はスーツ着用を強く推奨していました。
滞在時間が2時間あったので、海風を感じながら木陰で昼寝も最高でした。
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ホワイトヘブンビーチでは、時がゆっくりと流れているような感覚に包まれます。まるで島自体が時間の中で微動だにせず、訪れる者を優雅に包み込むかのようです。
透明な海水に足を浸し、柔らかな砂浜で太陽の光を浴びながら、そんな穏やかな時を共有できるのはこのホワイトヘブンビーチならでは。
訪れるどの場所も島陰となるため完全に電波が届かず、1日中携帯を見ることなくデジタルデトックスもできました。
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船に戻ると水のシャワーで体に付いた砂と潮を落とせます。工業的に研磨剤としても利用されているシリカサンドのビーチで遊ぶと、気がつかないうちに身につけていたシルバー製品が磨かれてピカピカになっている事に気が付きます。
ホワイトヘブンビーチを後にし、アフタヌーンティーを楽しみながらウィットサンデイ諸島をクルーズし、夕方5時にシュートハーバーに戻りました。
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少数精鋭のスタッフが一人2役、3役をこなし、キビキビと働く姿にプロフェッショナルを感じる安心できるツアーでした。
この究極のホワイトヘブンビーチクルーズは、まさに夢のような一日です。
美しい景色、親しみやすいクルー、そしてウィットサンデイ諸島の魅力をたっぷりと味わえる贅沢な冒険に出かけて、白い安息所にて心に残る思い出ををつくってほしいと思います。
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ヒルインレットよりもさらに高い所から観るホワイトヘブンビーチはまた別の体験と言って良いほど。お金と時間がある方は絶対にヘリコプターまたはセスナでの遊覧飛行にも参加してほしいです。
空から訪れる時は完全な干潮時よりも、少しずつ満潮になる時間帯の方が海からクリアな水が流れ込みシリカサンドの白と海の青のコントラストがはっきり出てキレイだと思います。
遊覧飛行のコースによってはグレートバリアリーフまで飛んでくれるのでハートリーフにも訪れることができるのでオススメです。
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文・写真(タイトル下のトップ画像含む):Jack Fukushima (旅コーディネーター)