海中美術館(MOUA)のすべて

Guide

Katie Stow

By Katie Stow

複雑で、はかないけれど広大な生命体、訪れる度に新しい 様が見られる、自然界の最大の傑作のひとつグレートバリアリーフ>これ以上にワクワクする場所は無い、と思われるかもしれませんが、実はこの度、ステージ1が完成してオープンした海中美術館(Museum of Underwater Art(MOUA))の一部として タウンズビルに位置し、グレートバリアリーフ海洋公園の中にあるこの海中美術館は、世界的に有名な海中彫刻家ジェイソン・デケアレス・テイラー氏の作品が設置され、サンゴ礁の保護、再生、教育そして地元コミュニティとの深い結びつきを重視する施設です。 夢の世界のような海中美術館ですが、単に素晴らしいだけでなく、芸術、海洋科学、文化が革新的に融合した場所でもあるのです。 海中美術館の意義

Museum of Underwater Art | Coral Greenhouse

Museum of Underwater Art

思わず圧倒されるようなこの海中美術館は南半球では唯一で、展示されている作品の創作者ジェイソン・デケアレス・テイラー氏は、世界で初めて海中を展示スペースとした現代美術アーティストのひとりです。既にオープンさせていたメキシコとスペインの海中美術館で保護というテーマを探求していたテイラー氏は、世界で最も有名な水中環境であるグレートバリアリーフこそ、紛れもなく海中美術館にふさわしい場所と判断しました。

この海中美術館は、単に見事な作品が見られる、おすすめの観光スポットであるだけではなく、海洋生物新たなすみかであり、海洋研究の場でもあります。海水の塩分濃度、pH、酸素レベルが常に監視されていて、サンゴの成長も海中カメラで撮影されています。そしていずれは、科学者、海洋学の学生、観光客、誰でも、ここでグレートバリアリーフとその神秘について学ぶことが出来るようになります。

さらにこの美術館、環境保護を目的としているほか、歴史保存の意味合いもあり、地元コミュニティ、サンゴにまつわるストーリー、先住民の人々の文化に影響を受けた作品も設置されています

海中美術館の見どころ

「オーシャン・サイレン」|ザ・ストランド、タウンズビル

展示作品の中で唯一海上に設置されている「オーシャン・サイレン」は、この地域に住む先住民族をモデルにした彫像。タウンズビルの海沿いにあるザ・ストランドと呼ばれる場所のほど近くに設置されていて、そこの桟橋から見られるようになっています。彫像がライトアップされる夕暮れ以降がおすすめの時間帯です。

「オーシャン・サイレン」は日没後LEDライトが点灯し、近海のデイビス・リーフにあるオーストラリア海洋科学研究所の測候所で観測される海水温度によってその色が変わるようになっています。太陽光発電で色々な色に点灯するこの彫像は、地球上の上昇し続ける海水温について改めて気づかせてくれる作品でもあります。

また、今、海洋環境では何が起きているのかを知るためにあえて都市環境の中に設置されたもので、サンゴ礁、海の保護活動を高めていくことを目指しています

「コーラル・グリーンハウス」|ジョン・ブルーワー・リーフ

Coral Greenhouse, John Brewer Reef | Museum of Underwater Art

Coral Greenhouse, John Brewer Reef | Museum of Underwater Art

「コーラル・グリーンハウス」はタウンズビルの沖合のジョン・ブルーワー・リーフにある彫像で、海中での忘れられない体験が出来るスポットです。この9メートルのステンレス製のビニールハウスを模した建造物は、海の底流を分散させるように設計されていて、中には海洋科学の学生がモデルとなった20体のサンゴの守り人の像などが設置され、いずれはサンゴ礁と共に新たな海洋生物の生息エリアとなります。

またこれは館内最大の作品で、テイラー氏が初めて手掛けた海中建造物でもあります。設置場所は海水の透明度が高いことと、サンゴ礁で囲まれていて、海底が砂で平らであったことから決められました。シュノーケリングでも見ることは出来ますが、細かい細工など十分に堪能するにはダイビングがおすすめです。そこで見られる景色にびっくり魚天です!

海中美術館のステージ2

Museum of Underwater Art | Ocean Siren

パーム島

クイーンズランド州東海岸にあるタウンズビルの北65キロにあるパーム島は原住民の言葉で「Bwgcolman(ブウーカマム)」と呼ばれる、パーム諸島最大の島です。透き通るようにきれいな海水、手付かずの砂浜、自然のままのサンゴ礁で知られています。

海中水族館では、パーム島にまつわる文化的なストーリーや、大地と海とのつながりを表す作品を通して、ここの自然の美しさを際立たせようとしています。先住民文化とグレートバリアリーフの結びつきを表現するためのデザインコンセプトについては、現在も、パーム島に住む伝統的所有者である先住民の人々とさまざまな話し合いが行われていて、2021年末までにはパーム島に作品が設置される予定となっています。

マグネティック島

ステージ3については、タウンズビルの沖合8キロにあるマグネティック島に作品の設置が計画されていて、今のところ202112月までの完成が見込まれています。

海中美術館へのアクセス

Museum of Underwater Art | Coral Greenhouse

オーシャン・サイレンだけは濡れることなくザ・ストランドから見ることが出来ますが、コーラル・グリーンハウスへは、ボートと呼吸をするための器具、それに冒険心が必要です。海中美術館にある作品を巡るツアーは、免許を持つ複数のツアー会社によって催行されています。

海中にあるこの驚くべきアート作品へのツアーを催行しているツアー会社は以下の通りです。

·        Adrenalin Dive Townsville

·        Yongala Dive Burdekin

·        ProDive Magnetic Island

·        Orpheus Island Resort (申し込みに応じて催行)

·        SeaLink Queensland (2021年催行開始予定)

海のすばらしさを知る新たなスポット、海中美術館では、驚きと学びだけでなく、グレートバリアリーフがもっと好きなれますよ。

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