アオウミガメの産卵@モンレポ

Guide

By Jack Fukushima

モンレポの拠点、魅力溢れるバンダバーグの紹介 - Budaberg, Queensland, Australia

バンダバーグへの旅

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モンレポの美しいウミガメの産卵に立ち会う前にバンダバーグという魅力的な街を訪れました。クイーンズランド州中部に位置するこの町は、美しいビーチ、歴史的な建築物、そして地元の魅力的な文化で知られています。

バンダバーグの歴史と文化

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バンダバーグは、サトウキビの栽培と製糖業で栄えた歴史を持つ町です。バンダバーグ蒸留所では、その歴史を感じることができます。オーストラリア国内でも有名なバンダバーグラム蒸留所では、サトウキビから生まれるラム酒の製造プロセスを学び、試飲も楽しむことができます。

バンダバーグからモンレポへ

バンダバーグの魅力的な文化と美しい自然環境は、モンレポでのウミガメの産卵と相まってオーストラリアの東海岸での素晴らしい経験を約束してくれます。今回はこの小さな町の温かさと魅力に触れながら、モンレポでのウミガメの奇跡に出会うことができ忘れられない旅の思い出となりました。

モンレポの夜、アカウミガメの神秘の瞬間 - Mon Repos Turtle Centre, Queensland, Australia

モンレポへの旅

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アカウミガメの産卵地で知られるこの場所はバンダバーグの街からサトウキビ畑を抜けて車で15分ほど東の位置にあります。アカウミガメはここで、夜の静けさに包まれたビーチで神秘的な儀式を繰り広げていきます。その非日常的な瞬間に立ち会うため、まずはMon Repos Turtle Centreに足を運びました。

ウミガメの等身大パネル

モンレポの舞台裏でアカウミガメの魅力に触れる

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Mon Repos Turtle Centreでは、特にアカウミガメの産卵に焦点を当てた展示や情報が提供されています。センター内では、アカウミガメの習性や保護活動に関する専門的な知識を得ることができます。興味深い生態をいくつか紹介します。

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ウミガメの性別は孵化した時の温度が28℃以下だとオスになり、30℃以上だとメスになるそうです。29℃の時は半々の確率でオスとメスの数がバランスが取れていたそうです。現在地球温暖化が進む中、気温だけでなく海水や砂の温度も高くなっているためメスが多く生まれてしまっているという状況になっています。センターでは産卵場所に日陰を作ったり、水を撒いたりして地温をコントロールしているそうです。

現在ウミガメ達が直面している海洋汚染による被害例も展示されています。漁網に絡まった絶滅危惧種にも指定されているタイマイ(写真右)。死んだ子ガメのお腹から発見された小さなプラスティック片。

自分たちの順番を待ちながら、貴重な資料や情報を得られるので、早めに行くことをお勧めします。グループは予約順で分けられます。

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産卵に立ち会うためにはバンダバーグ観光局または公式サイトにて当日15時までにウェブ予約必須なので注意してください。

暗闇の中、アカウミガメの儀式が始まる

準備が整い自分のグループ番号が呼ばれます。担当のガイドと共に夜のモンレポの砂浜に到着すると、先に調査をしながら待っていたレンジャーが提供する特別なナイトツアーが始まりました。暗闇に包まれたビーチでアカウミガメがゆっくりと上陸し穴を掘り始める様子はまさに圧巻でした。彼女たちの優雅な動きと神秘的な雰囲気に包まれ、観察者たちは息を呑むばかりでした。

アカウミガメの産卵の奇跡

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アカウミガメは後ろヒレをシャベルのように使い器用に穴を掘り、卵を砂地の穴にピンポン玉のような卵を産んでいきます。産み落とされる際に割れないように殻はゴムのように柔らかかったです。ガイドが産卵の様子を詳しく説明しながら、私たちはこの自然の奇跡に感動しました。彼女たちの儀式は時間が経つにつれて深まりビーチには神秘的な雰囲気が広がっていきます。同時に卵の数、ウミガメの大きさ、個体認識などを確認してレポートを作成していました。

アカウミガメとの不思議な邂逅(かいこう)

Mon Reposでアカウミガメの産卵を目撃する経験は、自然のサイクルと生命の不思議さに触れる機会でした。アカウミガメの保護活動とセンターの役割が、これらの生き物たちの未来を守りながら、観光客に知識と共に深い感動を与えることを実感しました。これからもモンレポでのアカウミガメの産卵体験が、人々に自然の美しさと尊さを伝えていくことでしょう。

孵化への期待 - アカウミガメの子どもたち

期間中の朝ビーチに戻ると卵から孵った子どもたちが次々にビーチを縦横無尽に動き回るそうです。子どもたちは小さくても生命力にあふれ、海に向かって一歩ずつ進んでいく姿はまさに自然のサイクルの一翼を担っている感動的な瞬間となるそうです。次回は孵化の瞬間にも立ち会いたいと思いました。

モンレポでウミガメの産卵と孵化に立ち会える時期は以下の通りです。

ウミガメの産卵時期(Nesting Season: 

通常、ウミガメの産卵が見られる時期は11月から翌年3月までです。特に11月から1月が産卵ピークで、この期間中にビーチでウミガメが巣を掘り、卵を産む光景を観察することができます。

ウミガメの孵化時期(Hatching Season: 

孵化のピークは一般的に1月から3月です。11月から1月にかけて産まれた卵が、約6〜8週間後に孵化し、小さなウミガメが砂の中から這い出てビーチを目指す様子を観察できます。

上記の期間はあくまで一般的な目安であり、具体的な日付は年によって異なる場合があるそうです。モンレポでウミガメの産卵や孵化を見たい場合は、事前にモンレポタートルセンターやバンダバーグ観光協会の公式ウェブサイトで最新の情報を確認し、事前にツアーなどの予約を検討することが重要です。稀有な生態系のリスペクトと保護のため、指定されたガイドラインに従い、慎重な行動を心がけましょう。

モンレポでのタートルウォッチングのガイドライン(公式ウェブページから)

静かで慎重な行動:

タートルウォッチング中は静かにし、物音を最小限に抑えましょう。ウミガメは音に敏感で、騒音が産卵や孵化のプロセスに影響を与える可能性があります。

距離を保つ:

ウミガメには十分なスペースが必要です。彼らを驚かせないよう、最低でも10フィート(約3メートル)以上の距離を保ちましょう。特に孵化したばかりの子ガメには近づかないようにしましょう。

フラッシュの禁止:

カメラのフラッシュはウミガメを驚かせ、彼らの生態に悪影響を与える可能性があります。写真を撮る際は、フラッシュをオフにしましょう。写真を撮っていいタイミングもレンジャーが指示してくれます。

規定の道を守る:

ガイドやレンジャーの指示に従い、規定の道を歩いていくことが重要です。ビーチにはウミガメの巣や孵化地があり、これらを守るために特定の経路が設定されています。

ライトの使用制限: ビーチでは明るすぎるライトの使用が禁止されています。

天候に注意:

タートルウォッチングは天気に左右されるため、予報を確認しましょう。雨や悪天候の場合はツアーが中止される可能性があります。

自己責任:

ウミガメの保護のため、全ての訪問者は自己責任で行動する必要があります。ガイドラインを守り、ウミガメに安全かつ影響を与えないよう心がけましょう。

文・写真(タイトル下のトップ画像含む):Jack Fukushima (旅コーディネーター)

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