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By Mariko Nishimura
自然や動物愛好家たちが毎年6月から11月の間に、クイーンズランド州東沿岸にあるバルコニー付きのオーシャンビューの部屋を確保する理由、それは南太平洋の絶景とともにザトウクジラ始めとするクジラ達の姿を見るためです。
まるで時計仕掛けのように、正確にこの海洋哺乳類は毎年南極大陸から子づくりのために5,000kmもの道のりを旅して、クイーンズランド州の穏やかで暖かい海で子クジラを出産します。
暖かい海へ北上してくるのは、出産と同時に生きていくためのノウハウや術を子どもに教えこんでから冷たく厳しい南極の海に戻るという行程を毎年繰り返すザトウクジラの大移動は、まさに生命の循環を描いた感動のドキュメンタリーです。
そんなドラマチックなクイーンズランド州のホエールウォッチングに是非出かけてみたいと言う方々のために、本稿では州の南から北まである7つのベストクジラスポットを順番にご紹介致します。
このブログを読めば、ハービーベイがクイーンズランド州でのホエールウォッチングの本拠地であり、世界中のホエールウォッチングの基準を定めた世界初のクジラ遺産地域に認定されたスポットであることが分かります。
これはマーケティングのための偏った解釈ではなく、科学に基づく話です。約7,000頭ものザトウクジラとその子どもたちが立ち寄り休憩する場所として、平穏で安全なこの湾を選ぶ理由は、海水の暖かさにあります。
実際、クジラが移動中に立ち寄り、群れで活動する様子が科学者たちによって記録された場所は、世界でこの湾以外にはありません。
クジラの行動が多く見られることから、ハービーベイの穏やかで安全な海域であればシーズン中に確実にクジラを目撃できると、観光業者も自信を持ってツアーを催行しています。
自分に合ったツアーを選択しましょう。フリーダム・ホエール・ウォッチ、タスマン・ベンチャー、ブルードルフィン・マリーン・ツアーズの日帰り海上ツアーがおすすめです。
クジラと泳いでみたいですか? もちろんできます。ハービーベイ・ダイブセンターのダイビングツアーに参加しましょう。この地域で唯一ザトウクジラと泳ぐ体験を提供しています。
最適な時期:8月〜10月
Photo by @pacificwhaleoz
ザトウクジラの移動の良い点は海岸線に沿って各地を訪れてくれることと、そのスタート地点がゴールドコーストであることです。
群れを最初に歓迎できるゴールドコーストは、クジラのシーズンの幕開けと、シーズンの終わりに南極大陸に戻る途中の姿を眺めるのに最適な場所です。
ここに到着後、繁殖地に向かって北上するという使命を帯びたクジラのオスたちは、力を見せつけ合い、多彩なアクロバットを繰り広げる様子が科学者たちによって記録されています。
ホエールズ・イン・パラダイスの半日ホエールウォッチングツアーに参加すると、最南端スポットでクジラの姿をとらえて、お昼前には本土に戻れます。クジラに会えませんでしたか? ご心配なく。ホエールズ・イン・パラダイスのツアーはクジラとの遭遇保証付きなので、会えなかった場合は再度ツアーに参加できます。
最大69名の乗客と3つのデッキを共有し、海上で1日くつろいでお過ごしください。
最適な時期:8月~9月
Photo by @kimberley.underwater
ザトウクジラが北に移動すると、クイーンズランド州の州都ブリスベンでクジラへの関心が高まります。
海の巨大生物はノース・ストラッドブローク島に接近するため、展望台から陸にいながらホエールウォッチングができます。双眼鏡があればもっとよく見えますよ。
もっと近くで見るには、ヤリンビラ・ツアーズにご参加ください。ブリスベン市街地、クリーブランドまたはダンウィッチから出発し、
地元のアボリジナルのガイドがヤリンビラ(クジラ)を案内する1日ツアーです。先住民とクジラの間の深い精神的なつながりと共に、ザトウクジラに関する海洋科学的事実を紹介してくれます。
出発の前に、クジラの言葉とクジラに関する事実を勉強しておきましょう!
最適な時期:9月~11月
Photo by @sunreef_mooloolaba
ザトウクジラは長距離スイマーで、短距離を疾走するタイプではありません。北に移動するときは時速5~15kmでゆっくりと泳ぎます。
ゴールドコーストとブリスベンで見かけたら、次の目的地は間違いなくサンシャインコーストです。
オーストラリアで最初に「クジラと一緒に泳ぐ」ツアーを催行したサンリーフ・ムルーラバでは、
まずムルーラバ川を15分間下った後、海に出て、そこでクジラの観察や水泳などをして海上で4時間過ごします。
クジラが落ち着いて戯れている状態なら、クジラと泳ぐために海に入ることができます。もちろん、すべて安全な距離内で行われます。
通常のホエールウォッチングをしたことのある方には、シュノーケル、マスク、フィンを着けてこの海洋哺乳類と一緒に泳ぐことはさらに夢中になれる体験です。なぜクジラと一緒に泳ぐことが必要なのか、こちらのページをご覧ください。
サンリーフの船で科学者や研究者に出会っても驚かないでください。この船では、この穏やかな巨大生物に関する知識を収集するための研究プロジェクトが進行中です。デイビッド・アッテンボロー氏のようにホエールウォッチングのシートを使って、回遊に関する情報を収集することもできます。
クジラの行動を海上から見る方がお好みなら、オープンデッキの船で、シャンパンを片手に眺めるのはいかがですか? それならサンシャインコースト・アフロートのくつろぎのクルーズ船に乗りましょう。デッキで最高のスポットを探すために押し合いへしあいをする必要はありません。最大定員23名のため、手すりにかじりついて鑑賞できます。
最適な時期:10月
Photo by @jeremysomphoto
サザン・グレートバリアリーフでは至るところでクジラが見られるので、何か尋ねるなら「行ってはいけない場所はあるか」でしょう。
頻繁にクジラを目撃できるヘロン島とレディ・マスグレイブ島に船で移動する途中も、クジラに会えるかもしれません。6月から9月までの間は、レディ・マスグレイブ・エクスペリエンスが主催するバンダバーグ発のホエールウォッチングツアーにご参加ください。
フリーダム・ファスト・キャッツで海原に出て、壮大なケッペルベイ諸島を探索しながらランチとクジラのショーを楽しみましょう。
クジラの目撃情報が多いレディ・エリオット島への遊覧飛行では、クジラが移動する様子を上空から眺めることもできます。
最適な時期:6月~9月
Photo by @whitsundaysparadiseexplorer
毎年の移動の終着点にウィットサンデー地域の暖かい海を選んだザトウクジラを責めることなど、誰にもできません。
それは、こここそ5,000kmに及ぶ移動の目的地だからです。ここは母なる自然がもたらした、74の島とグレートバリアリーフで保護された快適な「海のゆりかご」なのです。
ウィットサンデー地域こそクジラが出産する海域。ラッキーなクジラウォッチャーなら、クジラの誕生を目撃できるかもしれません。
オーシャン・ダイナミックスのホエールウォッチング専用のクルーズに参加して、のどかなウィットサンデー地域を背景に戯れるザトウクジラをご覧ください。
さらに北に向かうと、クジラの移動シーズンにパラダイス・エクスプローラー催行のホエールウォッチングツアーでは、ボーエン・マリーナから出発し、グロスター島とミドル島に向かいます。
いっそのこと、ウィットサンデー地域でのホエールウォッチングでご自分が船長になってみてはいかがでしょう? DIYセーリングアドベンチャーを予約して、ウィットサンデー諸島とウィットサンデー・コーストの保護海域で戯れるクジラの群れをご覧ください。
最適な時期:7月~9月
他の海岸ではザトウクジラに会えますが、このケアンズ&グレートバリアリーフ地域では、ここならではのクジラと会うことができます。
ドワーフミンククジラは見つけにくいことで知られていますが、そのクジラと一緒にシュノーケリングができる世界で唯一の場所がこの地域のサンゴ礁です。毎年6月から7月の間、リボンリーフにやってきます。
シーズン以外のクジラの移動については謎に包まれた部分がかなり多く、
ジェームズクック大学のマット・カーノック博士は、「毎年彼らは珊瑚海の北の海を好んで数週間だけやってきて、そして姿を消してしまうようです。タグ付けが出来ていないので、レーダーから消えてしまうということです。」と説明しています。
早く到着すれば、簡単にツアーを予約できます。こちらのガイドを参考にドワーフミンククジラを見つけてみてください。
最適な時期:6月〜7月