ゴールドコーストで「パシフィックエアショー」開催!

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パシフィック・エアショーは、アメリカ合衆国カリフォルニア州 ハンティントンビーチで2016年より開催されている大規模な航空ショー。2023年はハンティントンビーチに加えて、なんとゴールドコーストのサーファーズパラダイスで8月18日から8月20日の3日間の日程で開催され、当日は迫力のある飛行デモンストレーションに加えて、交流イベントやパーティーなどが行われました。

本イベントはオーストラリアで開催されるエアーショーとしては最大規模で、世界中の民間および軍用飛行士が集まり、開催期間中は合計約30万人が来場し盛り上がりを見せました。そのイベントの模様を、ブリスベン在住の書き人、柳沢有紀夫さんに取材いただきました!

飛行機好きにはたまらないこのイベントですが、飛行機好きではないあなたも、来年は暑い日本を離れて涼しいゴールドコーストでの観光を兼ねて、ぜひ訪れてみてください。迫力ある航空ショーの後は、地産地消の地元の料理と地ビールにオーストラリアワインと楽しめます!

戦闘機や輸送機の「波状攻撃」に大興奮

「空の乗り物好き」にはたまらない「パシフィックエアショー」

軍用輸送機がわずか100メートルくらい、目と鼻の先を何度も何度も通りすぎていく。

隊列を組んだ戦闘機もいくどもやってくる。

垂直離着陸可能な「オスプレイ」がやってきては目の前の空中に静止してにらみを利かせる。

さらにはF/A-18戦闘機が爆音を響かせて超音速で目の前を過ぎ去ったかと思ったら、もどってきたときにはこちらを偵察するようにゆっくりと目の前を通り過ぎる。

……戦地で遭遇したらたまったものではないですが、じつはこれ、2023年8月18~20日に行われた「パシフィックエアショー」というイベントの一コマです!

目の前を飛行機が通り過ぎる大迫力!

開催場所はリゾート地としておなじみのゴールドコーストの中心部「サーファーズパラダイス」のビーチ沿い。

クイーンズランドの州都ブリスベンからも80キロメートルくらいのところですから、日本でいったら東京の目と鼻の先の湘南の海岸で行われるようなものです。しかも左から右、右から左に飛行機が通り過ぎるのは、海岸線からほんのわずかに向こうという至近距離! さらに超低空飛行もあり! まさに「目の当たりにする」という感じなのです。

しかもやってくる「出し物」(現地では「パフォーマンス」と呼んでいました)の数も種類が多いのです! 毎日10時半から15時の4時間半に、約25の飛行があります。一つの飛行が終わったら間髪入れずに次の飛行。まさに「矢継ぎ早」です。

「飛行機」以外にも様々な出し物

冒頭に書いた「軍隊系」で言えば、他にも空中給油機KC-135から戦闘機への「空中給油」のデモンストレーションもありました。ちなみに「オーストラリア空軍」のみならず「アメリカ空軍」もはるばる参加です。

「曲芸飛行系」も見どころ満載です。たとえばオーストラリア国内チャンピオンなど「凄腕パイロット」たちによるプロペラ機の単独曲芸飛行(垂直に高く飛んで行ったかと思ったらエンジンを停止してヒラヒラと降りてきたり。見ているほうはハラハラです)。

数名のチームによるアクロバッティックな編隊飛行にも度肝を抜かれます(なんたってたった3~4メートルのみの「至近距離」をすれ違ったりするのですから!)

さらにはヘリコプターから降下した救急隊員による「海難救助」の実演などもありました。観客であふれかえるビーチへのパラシュート落下もハラハラドキドキの大迫力!

つまり各種「飛行機」のみならず、「空に関するありとあらゆるもの」を見せてくれるのです。こうして目先を次々に変えてくれるので4時間半という長丁場でもまったく飽きません。

盛り上げる工夫満載のエンタメ空間

飽きないといえば大型スピーカーでの場内アナウンスも素晴らしかったです。「次は左手を見てください」とか「この飛行機の特徴はこうこうこうです」とか「次の曲芸の技はこうです」などなど、まるでラジオのディスクジョッキーのような軽快なテンポでしゃべりっぱなし。そして時にはパイロットとの生々しい交信も入ります(すべて英語です)。そんな解説も入るので、特に飛行機に詳しい人でなくてもものすごく楽しめます。

まるで「波状攻撃」のように次から次へと飛行がありますが、会場内ではパイロットたちの「サイン会」やら紙飛行機ならぬ「ビニール飛行機投げ」といった「各種イベント」もありました。

それから飛行を終えたパイロットや大道芸人たちも気楽に撮影に応じてくれます。

フードトラックや屋台も多数出店し、アルコールを出すバーも設置されています。

すべての「出し物」を残らず楽しむもよし。プログラムを確認しながらお目当ての飛行だけは見逃さないようにして、あとはビーチリゾートらしくダラダラと楽しむもよし。

気になるお値段ですが、砂浜やその横を通る遊歩道などで見られる「一般入場料」が大人1日45豪ドル(取材時のレートが約4200円)。さらに高額のエリアもあります。

またビーチ沿いの遊歩道のさらに内陸にある片道一車線の道路も歩行者天国状態になっていたので、路上や道沿いのレストランから無料で観ている人も多かったです。高層ホテルやコンドミニアムなどのバルコニーなどから眺めている人たちもいました。

現地報道によると有料入場者数は約10万人! 無料で観ていた人もふくめると総観客数はなんと30万人だそう! 

「パシフィックエアショー」はもともとアメリカで行われていたイベント。2023年ゴールドコーストに初上陸ですが、少なくとも2024年と2025年はほぼ同時期に開催されることが決まっているとのこと。航空ファンの方はもちろん、スリル好きの方、そして楽しいことが大好きという方。このイベントは見逃せませんよ。

 

文・柳沢有紀夫 写真・柳沢大河