Guide
By Jess Pridmore
すばらしい、息をのむような、感動のグレートバリアリーフは、一度訪れたら決して忘れることはありません。地球最大のサンゴ礁群であり、クイーンズランドの自然の神秘であるこのグレートバリアリーフは、海上、海中、どちらも驚くほどすばらしい景色で、観光客、自然保護主義者、ダイバー達を楽しませてくれます。>グレートバリアリーフには、おすすめのエコ・ツアーや家族連れにやさしいさまざまなアクティビティ、ラグジュアリー体験、海の生き物との遭遇などがあり、まさに夢の世界です。ここでは、初めてを訪れるみなさんに役立つ情報をご案内します>グレートバリアリーフってどこ?
2,300キロにわたって続くグレートバリアリーフはオーストラリアを代表するランドマーク。クイーンズランド州の南部バンダバーグから北はケープヨークにかけた沖合に日本列島がすっぽりと入るほどの大きさでサンゴ礁群は広がっています。ブリスベンからでも車で4時間ほどで行くことも。
世界のサンゴ礁生態系の10%を占め、特に多種多様な海洋生物が生息するグレートバリアリーフは、まさに息をのむほどの生命体です。その大きさは、宇宙からも見えるほどで、世界的に有名なデイビッド・アッテンボロー氏も世界で最も好きな場所のひとつとして挙げているほど。
ユネスコの世界自然遺産に登録されているこの偉大な自然は、3,000のサンゴ礁、900の大陸島とサンゴの島からなっていて、そこでのシュノーケリングやダイビングは一生に一度の体験として人気があります。またミンククジラと一緒に泳いだり、ザトウクジラが海面から現れる様子を見たり、サメ、ウミガメ、マンタと一緒に泳いだり、環境保護を進める離島を訪れることも出来ます。
Photo by @andrewbrophy
あまりにも大きいので、初めてグレートバリアリーフを訪れる時に、まずどこに行ったら良いのか探すのも大変なようですが、どこに行っても、素敵なビーチで泳いだり、シュノーケリングを楽しむことは出来ますよ。グレートバリアリーフは5つの大きな地域に分かれているのですが、それぞれに特徴があり、楽しみ方もさまざまで、グレートバリアリーフならではの滞在が出来ます。
ブリスベン、ゴールドコーストからであれば、南部にあるサザン・グレートバリアリーフが近いエリアとなります。カプリコーン・コーストのバンダバーグからロックハンプトン、ヤプーンにかけての海岸線に沿うように広がるサザン・グレートバリアリーフは、シュノーケリングやダイビングのベストスポットがあることで有名。アイランド・ステイを味わうなら、レディ・マスグレイブ島、レディ・エリオット島、パンプキン島、にヘロン島がおすすめです。どの島も、環境にやさしい島として高く評価されていて、グレートバリアリーフで特に守られている生物の保護にも力をいれています。
更に北にあるマッカイ、ウィットサンデー地域は、島々を巡るセーリング好きにはたまらないエリアです。点在する74の島々と美しすぎる海岸線(世界的にも有名なホワイトヘブンビーチにハートリーフも)だけでなく、豊富でユニークな海洋生物が生息していることもこのエリアの魅力です。
クイーンズランド州北部の入り口となるタウンズビルは、グレートバリアリーフを始めて訪れる際の拠点としておすすめです。先住民の文化が多く残るこの地域では、オーストラリア先住民の人々の文化について学べるさまざまな体験が出来ます。海中美術館にある沈没船や海底に沈められた秘宝の周りをダイビングしたり、マグネティック島やヒンチンブルック島を訪れたり、この地域で行われている保護活動について学んだり出来ますよ。
グレートバリアリーフへの拠点として最も有名な地域と言えば、間違いなくケアンズとポートダグラスでしょう。輝くビーチにサンゴの島々、そして有名なサンゴ礁と、ユネスコの世界自然遺産に登録されているこの地域には、地球上のほかのどこにも無い特徴があります。
グレートバリアリーフの北部にあたるこの地域は、白い砂浜が続くポートダグラスから北は州最北端のケープヨーク半島まで続いています。この地域沖合のグレートバリアリーフは、全くの手付かずのままの自然が残り、シュノーケリング、ダイビング、釣りには持って来いのエリアです。そこだけ世界から取り残されたような、そんな感じのするところなんです。
Photo by @johnny_gaskell
グレートバリアリーフの良いところは、いつ訪れても素晴らしいこと。州北部にあるケアンズ&グレートバリアリーフ地域は熱帯性気候のため年中夏ですし、南半球の冬の時期でもすがすがしい気候なんですよ。5月から10月は特に穏やかな時期となり、海はすがすがしく、良い天気で、降水量も少なくなります。
この地域のいわゆる夏は11月から5月となり、気候としては熱帯性気候特有の降水量が多くなるのですが、決して悪い時期ではないんですよ。サンゴ礁は生き生きとし、海水の透明度も増す時期となります。ダイビングやシュノーケリングをする時には保護スーツの着用が必要になりますが、この時期ならではの透明度の高さから、様々な海の生物に出会うことが出来ます。
Photo by @tracyolive
グレートバリアリーフでは、海面近くやサンゴ礁の上をシュノーケリング中、グレートエイトと呼ばれるこの海域に生息する8大海洋生物のひとつに遭遇したりと思ってもいないような体験が待っています。もし退屈するようなことがあれば、それはグレートバリアリーフでの滞在の仕方が少し違うのかもしれません。
ここでは、グレートバリアリーフの海上で夜空に瞬く星を見ながら眠ったり、ウィットサンデー地域をチャーターしたヨットで優雅にセーリングをしたり、ダイバーの資格と取ったり、グレートバリアリーフに浮かぶ島を訪れたりと、夢のような体験が叶う場所です。
グレートバリアリーフに生息する海洋生物に会ってみたいですよね。毎日のように変化するグレートバリアリーフでは、季節ごとにさまざまな生物の営みに出会うことが出来ます。1月から3月はウミガメの孵化シーズン(11月から12月は産卵期)、6月から7月にはケアンズ沖にあるリボンリーフを北上するドワーフ・ミンククジラが、7月から10月になるとクイーンズランド州の沖合を北上するザトウクジラが見られるようになります。さらに冬の時期となる5月から8月にはサザン・グレートバリアリーフやレディ・エリオット島付近の至るところでマンタに出会えます。
グレートバリアリーフを見るには?
あらゆる予算にあった数えきれないほどの日帰りツアーから、優雅でぜいたくな体験まで、グレートバリアリーフではさまざまな滞在が楽しめます。濡れずに海中のサンゴ礁を見ることも出来るんです。
どの地域のグレートバリアリーフを訪れるにしても、いちばん手っ取り早い方法は貸し切り日帰りツアー。専門ガイドと一緒に、必要な備品付きで、グレートバリアリーフに生息する8大海洋生物を見るベストスポットを巡ってくれるツアーこそ、家族にいちばんの人気で、グレートバリアリーフを初めて訪れる方にもおすすめです。
リブアボードなら、かなり離れたアウターリーフのスポットにも行くことが出来るほか、そこにしか生息しない珍しい生物に出会うことも。日帰りツアーよりもさらに遠くを目指す2日以上のリブアボードダイビングなら、グレートバリアリーフの複雑な真の生態圏を知ることが出来ます。
また、透明な海の上を砂州に向かってカイトサーフィンしたり、ヘリコプターや水上飛行機でグレートバリアリーフの大きさ、美しさを目の当たりにしたりと、海上での楽しみ方もいろいろ。
一方、グレートバリアリーフにある島でボランティアをするのも、野生生物やサンゴ礁の保護のためにどのような活動が行われているのかを学ぶ絶好の手段です。観光に寄与するだけでも、実はグレートバリアリーフの保護につながっているんです。